こもろはす会議のメンバー6名は、小諸の東部、浅間山の麓に広がる農村地帯である「南ケ原」に原田牧場の原田さんを訪ねました。トウモロコシ畑の向こうに佐久平が一望できる浅間山麓の南斜面に原田牧場があります。
出迎えてくれたのは、原田紀男さん。原田さんは、小諸市に隣接する佐久市の出身。昭和48年、この原田牧場の二代目として南ヶ原で酪農家になりました。現在は、乳牛30頭と育成牛20頭、原田さん御夫妻と息子さんの家族3人で酪農を営んでいます。
さっそく、今朝絞りたての牛乳を飲ませてもらい濃厚な味にメンバーの口々から感嘆の声。次にでた話題は、世界的な穀物高騰の影響についてでした。購入する穀物飼料は、やはり5割ほど値上がりし経営は大変とのことですが、7.5町歩(約7.5ヘクタール)の畑で、粗飼料となる牧草やトウモロコシを栽培し、大半を自給していたり、牛の糞尿処理も、それを堆肥にして畑に返すことができているなど、循環する農業が経営を支えているようです。ただし、朝夕2回の搾乳作業などの牛の世話に加え、畑や堆肥づくりの作業など、365日ほとんど休みが無いそうです。
また最近では、イノシシやニホンジカが畑を荒らす獣害も新たな悩みになっているとのこと。
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酪農を取り巻く厳しい状況は、酪農家だけの問題ではないと、メンバーからも地産地消の工夫として、チーズやアイスクリームの加工販売や乳牛のオーナー制度などについて提案がありました。 ところが、牛乳の加工や流通には、衛生面での許認可など多くの課題もあり、簡単な解決策は無いようです。小諸の気候風土に根ざし営んできた酪農家のみなさんをもっとよく知り、これを地域全体の問題として捉えて考えていくことが大切なのではと感じました。
最後に原田さんは、南ケ原に暮らしていて何によりもこの環境が素晴らしい、眺めも良いし、とくに春が素晴らしいと話してくださいました。
![南ヶ原の牧場から佐久平の眺め](DSCN8058.JPG)
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